それぞれのナンバー、それぞれの物語:Bolliger Team Switzerlandのための「8」

2020-04-07T10:57:58+02:002020年4月2日|2019-2020|

プライベートチームの雄、Bolliger Team Switzerlandのラッキーナンバーは「8」。大志を抱くチームの無限「∞」のシンボルである。25年以上にわたり、Bolliger Team Switzerlandは、FIM世界耐久選手権でファクトリーチームと接戦を演じて来た。

ベルン北部に拠点を置くこの古参チームは、1975年にライダーであったハンスペッター・「ハンプ」・ボリガーによって結成された。彼は、1982年にイモラとバルセロナで初めて耐久レースに参戦し、その後、イモラ24時間で10位、モンジュイ24時間で7位を獲得した経緯を持つ。

それが、彼の耐久レースに生涯の情熱を捧げるきっかけとなった。

トレードマークである口ひげを誇りに思っている「ハンプ」は、1992年、ボルドールに初めて出場したが、怪我を負ってしまい、引退を余儀なくされた。しかし、代わりにチーム監督に従事することとなった。当初、ボランティアのクルーで構成されていたBolliger Team Switzerlandは、世界耐久選手権での経験を積み重ね、1994年のルマン24時間レースで5位に入賞するなど、将来に期待を抱かせる結果を幾度も残していた。そして、FIM EWCシリーズに新しく追加された1999年の第2回オッシャースレーベン24時間で2位となり、初の表彰台を獲得した。2000年、Bolliger Team Switzerlandは、初の世界耐久選手権フルシーズン参戦を決定した。

Bolliger Team Switzerlandは、「打倒ファクトリーチーム」を目標に掲げ、尽力しつづけた。それは、チームの素晴らしい実績が全てを物語っている。2005年と2010年には総合2位を獲得するなど、彼らは、2000年以降のFIM世界耐久選手権史上、屈指のプライベートチームにまで成長した。2014年には、総合3位で終え、表彰台の一角に返り咲いた。そして2015年、彼らはルマン24時間レースにおいて表彰台の3段目でスイスの国旗を掲げた。

FIM EWCでの彼らの努力を通じて、Bolliger Team Switzerlandは、カワサキに対し、そして、2000年に耐久選手権にフルシーズン参戦を開始した時にチームに割り当てられたチームナンバー「8」に対して、恥じない素晴らしい結果を残して来た。そして、「8」は、輝かしい彼らの将来を連想させる、Bolliger Team Switzerlandの代名詞となった。

レース人生45年を迎えたハンスペーター・ボリガー監督は、息子のケビンという心強いの協力者を得た。ケビンは、口ひげではなく顎ひげを蓄えているが、父親の耐久レースに対する情熱を見事に継承しており、今後もBolliger Team Switzerlandを輝かせ続けるため、惜しみない努力を続けていくことだろう。

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