ジョイントインタビュー:ロベルト・ロルフォ選手 x ロビン・ムルハウザー選手(MOTO AIN)

2021-05-19T04:01:10+02:002021年5月17日|2021, 24 Heures Motos 2021|

ロベルト・ロルフォ選手とロビン・ムルハウザー選手を擁するMoto Ainは、FIM世界耐久選手権スーパーストック・ワールドカップにおいて2連覇を達成した後、EWCクラスにステップアップ。ファクトリーチーム陣との直接対決に挑む。

Q:Moto Ainでの主力ライダーであるあなた方は、スーパーストック・ワールドカップで2連覇を成し遂げていますが、EWCクラスでの目標は何ですか?
ロベルト選手:僕は、2018年からMoto Ainのライダーとして活動している。僕たちは、スーパーストッククラスからスタートして、3年間そこで戦ってきた。その時からEWCクラスにステップアップすることを目指していたんだ。そして、その時がついに来たんだ!ルマンからこの新しいクラスでスタートするわけだけど、できるだけ早く表彰台に近づきたいって思っているよ。
ロビン選手:EWCクラスでは、チームとしてもライダーとしても、まだまだ学ぶべきことがたくさんあるけど、経験豊富なランディがいるおかげで、僕たちはいくつかのステップを飛び越えて、待ち受けている新しい挑戦に立ち向かうことができるんだ。だから、EWCクラス初年度でも表彰台を狙っていくよ。

Q:初年度での表彰台獲得は可能ですか?
ロベルト選手:そうだね。チームはとても素晴らしく、よく働いてくれている。レースでは、コンスタントに良いペースで走ることができるから、ピット作業がうまくいけば、表彰台を獲得することは可能だと思っているよ。
ロビン選手:僕もそう願っているけど、耐久レースは、それほど甘くはないからね。すべてのことが自分の思い通りになって、その上、運も味方につけなければならない。でも、僕たちには間違いなくその可能性を持っているから、目標を実現するために最大限の努力をしていくだけだね。

Q:2021年シーズン、ランディ・ド・プニエ選手があなた達のチームに参加しますが、その事は、EWCで好調なスタートを切るための大きなアドバンテージになりますか?
ロベルト選手:確かにランディは、とても速いライダーだよね。彼なら、予選でも活躍してくれると思うし、もっと上のグリッドからスタートできるかもしれないね。レース決勝では、僕たち全員がいいパフォーマンスを発揮できると思っているし、僕たちは最もバランスのとれたチームのひとつだと僕は思っているんだ。
ロビン選手:ランディの豊富な経験のおかげで、考え方を柔軟にして、スポンジのようにできるだけ多くのことを吸収していけば、僕たちのチームはもっと良くなることは間違いないよ。彼は非常に速く、すばらしい実力を持ったライダーだから、僕たちには得るものがたくさんあると思うんだ。

Q:新しいチームメイトの長所と短所は何ですか?
ロベルト選手:さっきも言ったように、ランディは、予選でも本番でもとても速いライダーなんだ。彼は、1000ccのマシンでのレース経験が豊富だから、マシンのセットアップでも、とても重宝しているんだ。彼が気をつけなければならないことは、転倒しすぎないということだけかな。
ロビン選手:僕は、まだ彼のことをよく知らないから、弱点を見つけられないんだ。彼の長所は、スピード、心構え、実績があってももっと勝ちたいというハングリーな気持ち、経験、そしてライダーとしての天性の才能を持ち合わせていることだよね。彼は、特別な存在であるにもかかわらず、とてもフレンドリーでシンプルな人なんだ。彼の弱点は、もしかしたら彼の長所でもあるかもしれないね。つまり、多才すぎることかもね。

Q:お二人のうち、どちらがバイクのセッティングを細かく調整するのが得意ですか?
ロベルト選手:新しいマシンは、基礎がとても良いんだよ。セッティングも良くなっているから、さらに速く走ることができるんだ。例えば、僕とロビンとでは、アクセルの開け方が違っていて、彼の方がよりアグレッシブなんだけど、僕たちのライディングスタイルは似ているから、マシンのセットアップにはあまり問題はないんだ。でもレースのために、みんなに合ったチューニングを見つけられるように気には掛けているけどね。
ロビン選手:ロベルトは経験豊富だし、完璧主義者だから、僕よりも細かいセッティングが上手いんだ。だけど、僕は、細かい違いがあってもすぐに対応できるんだ。

Q:コース上ではどちらが速いですか?
ロビー選手:練習でも実際のレースでも、僕たちのラップタイムは非常に近いんだ。
ロビン選手:この2シーズンでは、僅差で僕がチームでトップのラップタイムを出していたけど、それが僕たちの強みだと思っているんだ。ロベルトと僕はコース上でとても相性が良くて、お互いの弱点を補い合うこともできる。それに、シーズン中のスピードに関しては、ほぼ完璧に安定していると言えるよ。

Q:FIM EWC以外のモーターサイクル関連の活動について教えてください。
ロベルト選手:毎日、スイスやイタリアの学校で、ピットバイクや通常のバイクを使って仕事をしているんだ。世界耐久選手権のファン達が、1日だけライディングスクールやサーキット体験をしに来ることが多いんだよ。
ロビン選手:とても忙しいスケジュールを過ごしているよ。ヤマハスイスのマーケティング・スペシャリストとして、8割の時間を費やしているからね。あと、スイスのテレビのMotoGPコンサルタントやヤマハライディングアカデミーのサーキットコーチ、そして、もちろん世界耐久選手権のライダーとしての仕事もあるからね。トレーニングやいろいろな仕事、あと、彼女や家族とのプライベートな時間を考えると、自由な時間はほとんどないんだ。忙しい生活で管理や整理が大変なこともあるけど、僕はこの生活が大好きなんだよね。

Q:モーターサイクル以外の活動や趣味は?
ロベルト選手:主な活動は、ライディングスクールイベントと、DAZNでMotoGP世界選手権のテレビ解説者を務めること。僕の主な趣味とトレーニング方法は、サイクリングなんだけど、自転車に乗ることが本当に大好きなんだ。レースに向けても強い体を作ることができるからね。
ロビン選手:趣味はたくさんあるけど、それに割く時間はほとんどないんだ。趣味は、レースに、マウンテンバイク、バスケットボール、カート、スカッシュなどだね。また、映像制作、テクノロジーも好きだから、時間があれば自分のためや知り合いの会社のためにショートフィルムを作ったりもしているんだよ。ビデオゲームも好きで、特に「WARZONE」が好きだね。あと、少しでも時間があれば、僕の最初の仕事でもあるメカニックに戻ることもあるよ。今、僕が生まれた年の1991年式ヤマハXJ600をカフェレーサーに改造しているんだ。だけど完成までにはまだまだ時間がかかりそうだね。
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