ダンロップ・モータースポーツの舞台裏

2021-10-13T08:56:40+02:002021年10月8日|2021, 6 Hours of Most|

FIM EWCは、複数のメーカーが参加する数少ないFIM選手権のひとつだ。ダンロップは、ファクトリーチーム、プライベーターチームを問わず、60%以上のチームにタイヤを供給している。ダンロップ・モータースポーツの世界耐久選手権の担当であるデビッド・アウアーバッハー氏とウィム・ヴァン・アハター氏に会い、チームとの関係について聞いてみた。

「我々は、誰に対しても同じように接しているよ。」とデビッド氏は言う。
「各チームは、タイヤ担当者をタイヤが貯蔵されているトラックへ使いを出して、タイヤを受け取るんだ。サーキットの状況や天候に合わせて、各チームにタイヤを割り当てていくんだ。我々のエンジニアが作成する提案書には、常に2つか3つの選択肢があって、それがその週のうちにチームの戦略に基づいて承認されるようになっている。例えば、スーパーストックでは、タイヤ交換までのスティント数に応じて、リアタイヤを2種類用意している。各チームの戦略とライダーの意見をもとにタイヤを選択するんだ。他のメーカーと同様に、ダンロップでも、レースをすることで製品の技術開発に取り組むことができるんだよ。ファクトリーチームは勝つためにレースをするけど、テストをすることによって、タイヤの検証ができるんだよ。ファクトリーチームには、プライベートチームにはない開発用の試作タイヤが提供されるんだ。」

「開発されたタイヤは、次の年からスタンダードタイヤとして採用されるんだ。」とウィム氏は言う。「だけど、ファクトリーチームは、全てのチームが使用できるスタンダード規格のタイヤでレースをすることが多くて、ということは、それらがとても高い品質であるということを証明しているよね。」

また、ファクトリーチームには専属のエンジニアが就いている。ジュリアン・ダ・コスタ氏は、Webike SRC Kawasaki France Trickstarに、ジョン・ヒギンズ氏は、BMW Motorrad World Endurance Teamを担当している。その他、VRD Igol ExperiencesやMoto Ainなどのバイクメーカーがサポートするチームにもエンジニアを派遣している。

ダンロップ・モータースポーツ・イン・エンデュランスは、機材を運ぶトラックや、タイヤのフィッティングエリアなど、ロジスティクスの環境造りにも力を入れている。「ルマンやボルドールのような24時間レースには、あらゆる種類のタイヤを3,500本くらい持ち込んだんだよ。」とデビッド氏は言う。「ここモストでは、コースの情報があまりないから、チームの要求に応えるために1,500本のタイヤを準備したんだ。他の選手権に比べて、耐久レースではタイヤの寿命を検証することができるし、さまざまなコンディション、マシンの種類、ライディングのノウハウからデータを得ることができる。このことは製品開発にとって、とても重要な事なんだよ。例えば、マーカス・ライターバーガー選手、ケニー・フォレイ選手(BMW Motorrad World Endurance Team)や、ニコ・テロール選手(VRD Igol Experiences)など、耐久レースのライダーは、レースだけではなく、テストライダーとしても活躍しているからね。それに、広報活動の面でも、国際的なチャンピオンシップだから、とても幅広い層の人々にアピールすることができるんだ。」