チーム SRC カワサキ・フランス、鈴鹿で初タイトル獲りに挑む
ジル・ステフラーのチームが、選手権首位で鈴鹿に乗り込んでくる。チーム SRC カワサキ・フランスは、日本で行われる2018-2019 FIM EWC グランドフィナーレで、初めての世界タイトル獲得に挑戦する。
選手権リーダーのチーム SRC カワサキ・フランスと、スズキ・エンデューランス・レーシングチームとの差はわずか5ポイント。この2つのフランス拠点のチームが鈴鹿でタイトルを巡ってスリリングなバトルを展開することは間違いないが、同様に強い意気込みを持っている日本のチーム、現チャンピオンのF.C.C. TSR ホンダ・フランスのことも忘れてはならない。このチームは現在、カワサキまで23ポイント差となっている。
鈴鹿8耐グランドフィナーレを2週間後に控え、チーム SRC カワサキ・フランスのトップ、ジル・ステフラーは比較的、平穏。そして、レース戦略は万全のようだ。
「フィニッシュは最低条件、バイクの上に留まらなくてはならないが、我々は追うよりも追われたい。鈴鹿を訪れてレースをすることには変わりはないが、スズキ・エンデューランス・レーシングチームやF.C.C. TSR ホンダ・フランスに対しての我々の状況を逐一チェックしていなくてはならない。自分の理解では、ドミニク(メイランド、SERTチームマネージャー)が自分たちよりも前にいる場合、自分たちの順位は彼らよりも3つ以上、離れてはならない。もし彼がトップ5にいなければ、一番危険なのはF.C.C. TSR ホンダ・フランス。彼らがレースを勝った場合、我々はトップ6でフィニッシュしなくてはならないことになる」
チーム SRC カワサキ・フランスは、2015年、2016年の鈴鹿8対ではスターティンググリッドに並んだが、いずれもリタイアを余儀なくされている。2015年、カワサキ#11が6位走行中にクラッシュ、2016年はタイヤアクセルの破損に見舞われた。2019年、チーム SRC カワサキ・フランスの準備は万端。さらに、ピレリによるタイヤ開発という頼もしい支援もついている。
「この2年間、ピレリは日本にエンジニアを置き、ホンダ・モリワキチームとともにタイヤ開発に取り組んできた」とジル・ステフラーは語る。「これにより、2016年以降、目覚ましく改良が進んできた。オッシャースレーベンで非常に暑い中で行われたテストでは新しいタイヤを試し、気温の高い中でもとてもよくコントロールできた。また、効率が高まったウェットタイヤもある他、インターミディエイトタイヤもあるので、微妙な天気の時に活躍してくれることを期待している」
カワサキ ZX-10Rのウィナー
ジル・ステフラーの見方では、ZX-10Rの開発は、チーム SRC カワサキ・フランスがライバルに対して握る一番のアドバンテージだという。
「バイクが本当に素晴らしい状態で鈴鹿に挑むのは、今回が初めて。今は、各レースに併せて細かい調整を行って最高のパフォーマンスとマシンの汎用性を引き出すことだけ。2019年のル・マン24時間以降、我々が使用しているスーターのスウィングアームは、タイヤの摩耗管理やバイクの全体的な挙動の上でプラスになっている。今の我々のバイクは、鈴鹿に向けていい状態だ」
7月24日水曜日には、鈴鹿8耐グランドフィナーレ、最初のフリー走行が行われる。