ボルドール8時間経過:ERC ENDURANCE-DUCATIがサバイバルゲームをリード
FIM世界耐久選手権2022年シーズンのタイトル決定戦となるボルドール24時間レース第100回記念大会は、ドラマチックなスタートで幕を開け、盛り上がりを見せた。
国際的なモータースポーツの中でも最も過酷な一戦であるこのレースは、ランキング上位5チームのうち4チームがトラブルに見舞われるなど、ポール・リカール・サーキットの厳しい評判にたがわぬものとなった。さらに、1.8kmのミストラル・ストレートをフルスロットルで走るため、エンジンにはかなりの負担がかかり、さらに追い風が吹いているため、序盤では最高速度が300km/hをはるかに超えていた。
3戦を終えて首位に立っていたディフェンディング・チャンピオンのYoshimura SERT Motulは、オーバーヒートの問題で先にリタイアしたBMW Motorrad World Endurance Teamとともに、エンジン問題の修復に尽力したが、叶わず、リタイアリストに名を連ねることになった。
エンジントラブルにより戦列を離れたYART – Yamaha Official Team EWCだったが、約3時間のピット作業を経て21:30過ぎにレースに復帰した。しかし、その復帰も束の間、カレル・ハニカ選手が第6コーナーでストップしてしまい、優勝の望みは絶たれた。
F.C.C. TSR Honda Franceは、故障したオイルラジエーターを交換するためにピットストップをし、9分間をロスした。さらにその後、エキゾーストに問題が発生したために約5分間の予定外のストップを余儀なくされた。それ以来、ライダー達は、修理によるピットストップを避けるために、全開で走りたい気持ちを抑えつつ、失われた時間を取り戻そうとしている、とフランス人ライダー、マイク・ディ・メリオ選手は説明する。
優勝争いに加わっていたWebike SRC Kawasaki Franceだったが、エンジンの配線トラブルが発生し、Florian Marinoは故障したマシンを押してピットに戻ることを余儀なくされ、さらに15分以上をピットストップに費やした。
しかし、8時間経過時点での最大ボーナスポイントを獲得したERC Endurance-Ducatiと、最新のランキングポイント計算でTSR Honda FranceとFIM世界耐久選手権タイトルを争っているTATI Team Beringerには、そのような問題はないようだ。しかし、まだ16時間を残しており、勝負の行方はまだわからない。
強豪チームがタイムを落としたり、脱落したりする中、Viltaïs Racing Igol, Wójcik Racing Team, Team Moto Ain, Team Bolliger Switzerland, MACO Racing Team, Motobox Kremer Racingなどのプライベーターチームは、奮闘を続け、8時間経過後には、Viltaïs Racing Igolが2位を走行しており、Wójcik Racing TeamやTATI Team Beringer Racingなどの表彰台争いに加わり、注目されている瞬間を楽しんでいるようである。Team Bolliger Switzerlandは、ニコ・トゥーニ選手が、2コーナーでクラッシュしたにもかかわらず、現在8位を走行している。
スーパーストックでは、何度もトップが入れ替わるなど、盛りだくさんな展開に
ボルドールでは、フォーミュラEWCぅラスが多くの話題をファンに提供する一方で、FIMエンデュランスワールドカップタイトルも争われているスーパーストッククラスも熱い視線が送られている。OG Motorsport by Sarazinは8時間後にトップに立ち、Team 18 Sapeurs Pompiers CMS Motostoreはレース序盤にこのカテゴリーをリードしていたが、タイトル獲得に向けて前進している。その中で、Team 33 Louit April Motoはフロントタイヤの交換のためにピットインし、時間をロスしたものの、RAC41-ChromeburnerやTeam 33 Louit April Motoも奮闘を続けている。BMRT 3D Maxxess Neversは、8時間経過時点で、ポールシッターのWójcik Racing Teamを抑えてクラス5位につけている。
ボルドールのハイライトとなったシャビ・フォレス選手のスリップストリームオーバーテイク
オープニングラップでは、グレッグ・ブラック選手、マイク・ディ・メリオ選手、シャビ・フォレス選手、マーカス・ライターバーガー選手がそれぞれトップに立つというFIM世界耐久選手権らしい展開となった。しかし、ミストラル・ストレートのスリップストリームで3人のライバルをオーバーテイクしたシャビ・フォレス選手が、最も華麗なパッシングを披露した。
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