メルカド選手、新たな活躍の場を求めEWCに参戦
アルゼンチン人ライダーのレアンドロ・メルカド選手は、FIMスーパーバイク世界選手権での活躍に続き、FIM世界耐久選手権を自身のキャリアの新たな章の幕開けとするために選択した。
レアンドロ・メルカド選手(31歳)は、EWC2023年シーズンで、ヤニック・ルコット監督率いるフランスチームのHonda Viltaïs Racingに加入し、フロリアン・アルト選手、スティーブン・オデンダール選手、第4ライダーのジェームス・ウェストモアランド選手とともに、新たに投入されるホンダ CBR1000RR-R #333のシートに座る。
メルカド選手自身にとって、EWCは初参戦となるが、南米出身のライダーが耐久選手権にフル参戦するのも最近では初めてとなる。
「タチ」の愛称で親しまれるメルカド選手は、2008年にレッドブルAMA USルーキーズカップでそのキャリアをスタートさせ、翌年にはAMAスーパースポーツのチャンピオンを獲得するなど、その高い能力を見せつけた。
彼は、2010年にヨーロッパに渡り、イタリアCIVスピードチャンピオンシップに参戦した後、2012年にはFIMスーパーバイク世界選手権にステップアップし、スポット参戦を果たした。
スーパーバイク世界選手権に復帰する前の2014年、個人所有のドゥカティでスーパーストック1000欧州選手権に参戦し、そのタイトルを獲得した。スーパーバイク世界選手権2015年シーズンでは、安定した成績を収め、最終順位も8位に輝いた。
そして、ドゥカティの公式ライダーとして、スーパーストック1000欧州選手権2016年シーズンに再参戦し、8戦中3勝、1回の表彰台を獲得するなどの大活躍を見せたが、タイトルをあと4ポイントの差で逃した。その後、2017年にスーパーバイク世界選手権に再び参戦を果たした。
メルカド選手は、ホンダマシンで参戦した2年間を含め、スーパーバイク世界選手権での6年間を無冠のまま終えたが、2023年では、ボルドール24時間レース優勝チームであるViltaïsから、4月13日~16日にフランスで開催されるルマン24時間レースでEWCデビューを果たす予定だ。
コルドバ出身のメルカド選手は、こう語っている。「これは、僕のキャリアの新しい章の始まりなんだ。Viltaïsファミリーとともに歩めることをとてもうれしく思っているよ。チームの価値観や強さ、目標を達成するための集中力を目の当たりにすることができた。大きな挑戦だから、今は気分が高揚しているよ。耐久レースについて、学ばなければならないことはたくさんあるけど、目標達成のためにすべての力を発揮するつもりでいるよ。素晴らしい雰囲気と大きな決意を持っているチームのみんなと知り合うこともできた。今年、チームはホンダにスイッチしたけど、僕は2年間ホンダマシンに乗っていたから、その経験をチームに生かすことができると思うんだ。僕を信頼してくれたヤニック監督とチーム全員に感謝したいし、この新しい章を始めるのが待ち遠しいよ。」
Honda Viltaïs Racingのヤニック・ルコット監督は、次のように述べている。「タチは、ホンダをよく知っているということは確かなんだけど、我々Viltaïsがもっとも惹かれたのは、その人間性なんだ。採用の面接時、候補者の心理を理解するために、フィジカル&メンタルトレーナーに同席してもらったんだ。何人かのライダーを見けど、タチとのやり取りがとても良かった。新しいチームに適応し、共通のプロジェクトを遂行し、この分野に身を投じようとする彼の意欲が決定的なポイントになったんだ。もし、彼が早くチームに慣れることができれば、2023年シーズンの開幕から活躍できると思うよ。」