モストでの初EWCレース
10月9日にチェコ共和国で開催されるFIM EWC最終戦、モスト6時間レースに出場するほとんどのチームにとって、モスト・サーキットでのレースは初めてとなるケースが多いようだ。また、刺激的で壮大な4,212mのこのコースに精通しているライダーは、わずか数名いるだけである。
オーストリアのヤマハファクトリーチームであるYART-Yamaha Official EWC Teamは、間違いなく今回のレースに参戦するチームの中で、モスト・サーキット最速チームであると思われる。なぜならば、このチームは、最近、モスト・サーキットでテストを行い、8月上旬にこのサーキットで開催されたFIMスーパーバイク選手権に、マービン・フリッツ選手とカレル・ハニカ選手が推薦枠ライダーとして参戦したからだ。
特にマービン選手は、モスト・サーキットを大変気に入ったようだ。
「モストは、素晴らしいサーキットだよ。とてもトリッキーで、いくつかのセクションでは走行ラインが一本しか取れないから、追い抜きがとても難しいんだ。どうやって追い抜くかがこのレースのキーポイントになると思うよ。それとみんなが楽しめそうなハイスピードセクションもあるんだ。だけど、第一シケインはそう簡単ではないから、特にスタート直後では、もつれる場所になるだろうね。モストを3つの言葉で表現するとしたら、速い、疲れる、接触覚悟の追い抜き、といったところかな。」
Team 18 Sapeurs-Pompiers CMS Motostoreのライダー、バスティアン・マッケルズ選手は、6月のドイツIDMスーパーバイク選手権でモストの表彰台に上った。
「このコースをとても気に入ったよ。レースをしていて飽きがこないし、気分のいいサーキットなんだ。体力面では、ストレート以外は休む暇がなくて、厳しい(きつい、ハードな、タフな)コースだから、1時間くらいのスティントで回してくれると助かるね。テクニカルな低速コーナーがいくつもあるからね。マシン、特にブレーキに対しても負荷が高いんだよ。スタート直後の第一シケインは。本当に注意しなけばいけないと思うよ。このレースを3つの言葉で表現するならば、楽しい、テクニカル、体力的に厳しい、だね。」
Webike SRC Kawasaki France Trickstarのエルワン・ニゴン選手も、モスト・サーキットを気に入っているようだ。
「モストとの関係は古いんだよ。2000年にヨーロッパ選手権の125ccクラスで初めてここでレースをして、その後、フランスのチームで250ccクラスに参戦して、2019年にはIDM選手権で走行したことがあるんだ。とてつもなくテクニカルなコース、とまでは言わないけれど、繊細なライディングと正確な走行ラインを描かないと速く走れないだよ。このサーキットでは、スピードによって何度もバンク角を変化させないといけないんだ。この絶え間ないバンク角調整がこのサーキットの最大の特徴と言えるね。最初の2つの低速シケインを除けば、大きな問題はないよ。僕はこのサーキットが好きだから、このサーキットで走れることがうれしいし、良い結果を出したいんだ。このサーキットを3つの言葉で表現するなら、伝説的で、変わっていて、体力的にも厳しい、かな。」