ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームが鈴鹿4連覇達成、F.C.C. TSR ホンダ・フランスは日本チーム初の世界チャンピオンに
ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームが、Red Bull Honda with 日本郵便、Kawasaki Team Greenとの激戦の末に、鈴鹿8時間4連覇を達成した。またF.C.C. TSRホンダ・フランスも、選手権史上、日本チームとして初めてのFIM EWCタイトル獲得を果たし、歓喜に沸いた。
第41回鈴鹿8時間は、陽が落ちてからも目が離せない展開となった。Kawasaki Team Greenとヤマハ・ファクトリー・レーシング・チーム、レース序盤ではRed Bull Honda with 日本郵便も絡んでいた激しい首位争いは、最終的にヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームの勝利で決着が着いた。ヤマハのファクトリーチームは昨年と同じ、中須賀克行、アレックス・ロウズ、マイケル・ファン・デル・マークのラインナップで臨んだ。ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームにとっても、中須賀克行にとっても、鈴鹿8時間での優勝は4年連続。中須賀は、1993年から1995年に鈴鹿8時間を制したアーロン・スライトの記録を塗り替えた。
雨に濡れたコースでスタートを迎えたレース序盤にリードしていたRed Bull Honda with 日本郵便(高橋巧、中上貴晶、パトリック・ジェイコブセン)は、首位から30秒遅れてのフィニッシュとなった。Kawasaki Team Greenは、レース中盤、一時トップや2位にもつけていたが、1ラップ遅れの3位。渡辺一馬、ジョナサン・レイ、レオン・ハスラムは、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームと長らく首位争いを展開していたが、雨が降ったことで計画に狂いが生じた。ジョナサン・レイがスリックからウエットタイヤに履き替えるためにピットに入ろうとしていた時に、クラッシュ。これでこのカワサキ勢チームが、貴重なタイムをロスすることになった。
スズキのエスパルスドリームレーシング IAI(生形秀之、トミー・ブライドウェル、渡辺一樹)は落ち着いたレース運びで、ヤマハ、ホンダ、カワサキと日本メーカーが独占したポディウムに、あと一歩に迫った。
F.C.C. TSRホンダ・フランスがFIM EWCタイトルを獲得
5位でフィニッシュしたF.C.C. TSRホンダ・フランス(フレディ・フォレイ、アラン・テッチャー、ジョシュ・フック)は、FIM EWCタイトルを獲得した選手権史上、初めての日本チームとなった。GMT94 ヤマハのデビッド・シェカ、ニッコロ・カネパ、マイク・ディ・メグリオは終盤追い上げたが、6位でのフィニッシュとなった。クリストフ・グイオ率いる同チームは、7ポイント差で2017-2018年FIM EWCの新チャンピオンに続く選手権2位となった。また、世界タイトルを目指しての忍耐力に対し、アンソニー・デラールEWCスピリットトロフィーを受賞した。
同じくFIM EWCフル参戦チーム、英国拠点のホンダ・エンデューランス・レーシングは、ホンダ・アジア、KYB MORIWAKI MOTUL RACINGに続く9位でフィニッシュし、2017-2018 FIM EWCシーズンを選手権3位で終えた。
スズキ・エンデュランス・レーシング・チームは12位でフィニッシュ、その後には、例年鈴鹿で強さを見せているが今回はクラッシュにより遅れを取ったスズキ勢2チーム、ヨシムラスズキMOTULレーシングとTeam Kagayamaが続いた。マーキュリー・レーシングも14位とポイント圏内でフィニッシュ。FIM EWCにシーズンフル参戦するプライベーターチームが対象となる「独立チームトロフィー」ランキングのトップに立ち、賞金1万1500ユーロ(約150万円)を獲得した。トロフィー対象のチームの中で、マーキュリー・レーシングは メカニカルトラブルで後退を余儀なくされたNRT48の上に立った。鈴鹿初参戦を果たしたWocjik Racing Teamは、25位でフィニッシュ。ダンロップ・インデペンデントトロフィーでは、2位に入った。鈴鹿での経験はさらに豊富なボリガー・チーム・スイスは、レースのスタートが雨により中断された際、割当時間が経過した後にウエットタイヤを装着しストップ&ゴーペナルティが科され、30位でのフィニッシュとなった。
モトボックス・クレマー・レーシングはクラッシュにより遅れが生じ、リザルト圏外となった。グリッド8番手からスタートしたYARTヤマハも、クラッシュによりリタイアとなった。