ルーキー、ルーカスの忍耐とMOTOBOX KREMER RACINGの不運
ルーカス・ヴァルヒュッター選手は、初めての24時間レースという困難を乗り越えることができたが、彼とチームメイトのジェフロイ・デハーイェ選手、ステファン・ストローレン選手の努力もむなしく、Motobox Kremer Racingは、ルマン24時間レースからリタイヤを余儀なくされた。
ドイツに拠点を置くMotobox Kremer Racingは、2021年シーズンでランキング8位を獲得後、FIM世界耐久選手権2022年シーズン開幕戦に大志を抱いてスタートした。しかし、レース前にジェフロイ選手とステファン選手が軽い転倒を喫したため、このプライベーターチームは、52台中34番グリッドからスタートすることとなった。
8時間経過後、Motobox Kremer Racingは総合21位、フォーミュラEWCクラスでは9位に着け、暫定ポイントシステムに基づき、2点を獲得することができた。
15位まで順位を上げていたMotobox Kremer Racingだったが、練習走行中のクラッシュに起因するエンジントラブルにより、早朝5:00過ぎにヤマハ YZF-R1のリタイアを余儀なくされた。
「個人的には厳しい週末だったよ。」とルーカス選手は語った。「練習走行のスティントでは、何度か赤旗に見舞われてリズムを崩し続けてしまったんだ。残念ながら、僕の出番前にジェフとステファンが2度クラッシュしてしまったから、理想的なレース展開を繰り広げることができなかったけど、これは誰のせいでもないんだ。」
「予選2回目では、ようやく速いラップタイムを出すことができて、レースへのモチベーションを上げることができたんだ。レースはうまくいっていたんだけど、体力的にとても辛くて、肩の痛みに悩まされていたんだ。4スティント走ったけど、もう本当に疲れたよ。レースペースは悪くなかったんだけどね。悔しいけど、完走はできなかった。」
マンフレート・クレマー監督はこう語った。「チームのみんなは懸命に働き、いつものようにレースに集中することができた。34番グリッドスタートから15番手まで順位を上げるなか、冷静さを保ったまま作業を進めることができたからね。残念だったけど、最終的には技術的なトラブルがあって、レース序盤でリタイアすることになってしまった。こういうことは起こり得ることで、今回はアンラッキーだった。ライダーたちはいい仕事をしてくれたし、ピットストップもスムーズに行えた。次のスパは新しいサーキットだからね。とても楽しみにしているよ。」
チーム共同代表のゲオルク・ハース氏も、「良い週末を過ごすことができたし、チームもとても良い仕事をしてくれた。」と付け加えた。「残念ながら、レース結果は期待通りではなかったけど、それもモータースポーツの一部なんだよ。素晴らしい天候の中、会場にいる観客みんながとても良い雰囲気だったね。特にヤマハ・モーター・ヨーロッパのエリック・ドゥ・セインズ社長の訪問もあってうれしかったし、スポンサーやサポーターの皆さんにもお礼が言いたいよ。我々は今、次の大レース、スパ24時間EWCレースに集中しているんだ。」
写真:ティム・アルトホフ