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ヴァンサン・フィリップ:チャンピオンへのトリビュート

2020-01-27T16:27:06+01:002020年1月19日|2019-2020|

FIM世界耐久選手権で最も象徴的なライダーの1人であり、2003年からSUZUKI ENDURANCE RACING TEAM(SERT)の主力メンバーであったヴァンサン・フィリップ選手は、引退を表明した。チャンピオンに10の質問を投げかけてみた。

ヴァンサン選手は、2003年のルマン24時間レースでの初優勝以来、FIM EWCで数多くの勝利とタイトルを手中に収めてきた。そして、彼は約30年間にわたるレースキャリアを2019年のボルドール優勝で締めくくり、42歳でEWCから引退することを決めた。

最初に乗ったバイクは?
父さんが時々貸してくれたYAMAHA PW50だね。6歳か7歳ころかな。それで家の周りを走って遊んでいたんだ。それからモリーニの50㏄、レースキットを組み込んだPEUGEOT 103にも乗ったよ。

最初のレースは?
昔、モペットクラスで父さんとヒルクライムレースに良く参加していた。サーキットデビューは1992年の14歳のときで、TZR125で初めてのシーズンに出場したよ。

「チャンピオンになりたい」と初めて思ったときはいつ?
かなり早い時期だったと思うよ。僕が11歳の頃、中学生での夢だったんだ。高校では、その夢に夢中になりすぎて1年留年してしまったけれど、最後はそれを取り返して卒業証書をもらったよ。

あなたにとっての「チャンピオン」とは誰ですか?
ミック・ドゥーハンやケビン・シュワンツ、ウェイン・レイニーがマシンと一緒に写っているポスターを寝室に貼っていたよ。特にミック・ドゥーハンに憧れていたんだ。それからヴァレンティーノ・ロッシがやってきたね。1997年にフランスのル・カステレで、125ccクラスのワイルドカードで参戦したときに一度だけ、彼と一緒に走ったんだよ。

最高だったレースは?
難しい質問だね!レースキャリアが長いから、1つだけに絞るのは難しいね。Equipe de France Espoir(フランスで若く、将来性のあるライダーによるチーム)に選ばれた時のことをよく覚えているよ。それが、フランス選手権から世界選手権にステップアップする唯一の道だったからね。その後、2003年のルマン24時間レースで初めて優勝したんだけど、それがSERTでの最初のレースだったんだよね。そして、それが僕の初の世界選手権タイトルに結びついて、「チャンピオンになる」という夢が叶ったんだ。2016年のアンソニー・デラール選手と一緒にとった最後の世界タイトルや、2019年9月のボルドールでの最後の優勝も最高の思い出だね。

最悪だったレースは?
チームメイト(アンソニー・デラール)が亡くなった瞬間に居合わせたことかな。これからも一番つらい思い出であり続けるだろうね。僕はまだ、そのことについて話すのがつらいんだ。それ以外で最悪だったのは、負傷だったり、マシントラブルでレースを続けられなくなった時だね。

もしも、すべてをもう一度やり直さなければならなかったら?
あまり、「もしも」で物事を振り返るのは好きではないんだよね。僕は将来を見据えている。WSBでフルシーズンを戦えなかったことを除けば、なんの後悔もしていないよ。僕は常に最善を尽くしてきたから。

若いライダーへアドバイスはありますか?
一生懸命努力することだね。最初は、オートバイレースは楽しくて、カッコいいことだと思うかもしれないけど、高いレベルに達するためには、努力を忘れず、時には耐えることも必要だ。さらに、その努力のモチベーションをつかめるようにならなくてはいけない。私は適度なバックグランドを持っていたからね。普通だったらこのキャリアを歩むことはできなかっただろう。手段がないと、最近はもっと難しいよね。だけど、常に自分を信じて、ベストを尽くしていれば、きっと良い結果がついてくるよ。

ロードレース、耐久レース、スーパーモタード、エンデューロ、トライアル、アイスレース、ルトゥケビーチレースとやってきましたが、まだ参加してみたいと思っているカテゴリーはありますか?

ラリーレイドに出てみたいんだ。ラリーレイドはずっと前から興味があったんだ。危険が伴う競技だし、準備に時間が必要であることも分かってる。でも、個々の体力が試されるレースだから非常に興味深いよ。これからすぐ準備に取り掛かるよ。今年はフランスのブザンソンで二輪販売店をオープンする予定なんだ。でも、来年は、2022年のダカール出場のために、しっかり準備する予定でいるよ。

プロレーサーからディーラーのオーナーになるわけですが、生活のペースの変化にどのように対応しますか?
トレーニングに費やしていたエネルギーはすべて、ディーラー経営に使うつもり。でも、バイクレースからは完全には離れられないな。ダカール2022のプロジェクトも舞い込んできたし、2020年には2〜3戦くらいレースに出たいと思っているよ。一度も走ったことのないバルセロナ24時間レースやスパ6時間レースのようなものにね。あと、何件かライダーのトレーニング講座を開催する予定もあるし、ユーロスポーツフランスでEWCのレース解説を担当する話も頂いている。

ヴァンサン・フィリップ選手の経歴
世界タイトル10回:2005年、2006年、2007年、2008年、2010年、2011年、2012年、2013年、2015年、2016年 FIM世界耐久選手権チャンピオン
ボルドール優勝9回:2004年、2005年、2006年、2008年、2009年、2010年、2011年、2016年、2019年
ルマン24時間レース優勝3回:2003年、2014年、2015年

2019年 ボルドール優勝
2004年 ボルドール初優勝
2003年 ルマン24時間レース初優勝
2000年~2002年 GP250ライダーとして活躍
1999年 耐久レースに初出場
1998年、1999年 全仏オープン250㏄クラス優勝者
1996年、1997年 フレンチヒルクライムチャンピオンシップ125㏄クラス優勝
1992年 初レース出場(TZR125 ワンメイクレース)