待望のシーズン開幕戦、6月12-13日、ルマンでいよいよ開催
2021年6月12-13日、2021年FIM世界耐久選手権の第1戦「ルマン24時間レース」が、いよいよフランス・ルマンのブガッティ・サーキットで開催される。ファクトリーチームと下剋上を狙うプライベートチームの両方で、新たなライダーラインナップや有力選手が名を連ね、それにより、今回のレースは、よりスリリングな戦いになることが予想される。
レースの開催延期により、その待ち時間は、さらなるプレッシャーを与えている。2021年のワールドタイトルを狙う新たな参戦チームたちが、今シーズン、初めてルマンでレースを行う。
2019-2020年シーズン、準優勝を果たしたYART Yamahaは、カレル・ハニカ選手、マービン・フリッツ選手、ニッコロ・カネパ選手という同様のメンバーで戦いに挑む。
また、2018-2019年のFIM EWCチャンピオンであるWebike SRC Kawasaki France Trickstarも、ジェレミー・ガルノニ選手、エルワン・ニゴン選手、デビッド・チェカ選手からなる同じライダーラインアップでタイトル獲得を再び目指す。
2020年のルマン24時間レースの覇者であり、2017-2018年のFIM EWCチャンピオンでもある日本のチーム、F.C.C. TSR Honda Franceは、ジョシュ・フック選手、マイク・ディ・メリオ選手のライダーラインナップに高橋裕紀選手を新たに追加採用した。
BMW Motorrad World Endurance Teamには、新型M1000RRのテストで非常に好印象だったスペイン人ライダーのハビエル・フォーレス選手が、マーカス・ライターバーガー選手とイルヤ・ミハルチク選手のパートナーとして加入。そして、ケニー・フォレイ選手が、ルマン24時間レースでの初優勝と初のワールドタイトル獲得という2つの目標を掲げるBMWチームの4人目のライダーとして、名を連ねる。
ERC Endurance-Ducatiも、同様の目標を掲げている。パニガーレV4 Rは、マチュー・ギネス選手、ルイ・ロッシ選手、そして、SERTで2019-2020年シーズンの世界チャンピオンを獲得したエティエンヌ・マッソン選手の3人に託され、シルヴァン・バリエ選手がバックアップライダーとして参加する。
スズキの新ラインアップ
Yoshimura SERT Motulは、特にレースでの大いなる活躍が期待される。この2つの伝説的チームの新しい連携は、まさにドリームチームが誕生した瞬間でもあった。YoshimuraとSuzuki Japan、そして、2019-2020年度の覇者、SERTがタッグを組み、新たなワールドタイトル獲得を目指す。グレッグ・ブラック選手とエティエンヌ・マッソン選手がGSX-R1000Rに乗り、さらに2014年スーパーバイク世界チャンピオンのシルバン・ギュントーリ選手が加入。バックアップライダーとして渡辺一樹選手が控える。
これらのファクトリーチームに肩を並べるパフォーマンスを持つプライベートチームも存在する。昨シーズンの活躍からその抵抗勢力と考えられるチームの筆頭として、ポーランドのWójcik Racing Team、フランスのVRD Igol Experiencesと3ART Best of Bike、スロバキアのMaco Racingなどの名があげられる。Bolliger Team Switzerlandも忘れてはならない存在だ。
EWCクラスに新規参入したMoto Ainは、スーパーストック・ワールドカップで2度の優勝経験を持っており、ロベルト・ロルフォ選手、ロビン・ムルハウザー選手、ランディ・ド・プニエ選手といったライダー達と共に、大きな野望に意欲を燃やしている。
ブガッティ・サーキットでは、白熱したレース展開が予測されるため、スーパーストック・クラスでも大接戦が期待される。
2021年6月10日(木)には、ルマン24時間レースの第1回目の公式練習が行われ、世界耐久選手権の新たな勢力図を見ることができるだろう。