耐え忍ぶWEBIKE SRC KAWASAKI FRANCE TRICKSTAR
カワサキのファクトリーチーム、Webike SRC Kawasaki France Trickstarは、その経験と闘争心により、ルマン24時間レースで2位を獲得した。ジル・スタフラー監督率いるこのチームは、ルマン24時間レース中、いくつかのメカニカルトラブルを抱えていた。特に電子制御システムの性能がライバル達よりも劣っていることをカバーする必要があった。
ジェレミー・ガルノニ選手、エルワン・ニゴン選手、デビッド・チェカ選手の3人は、決して諦めなかった。7番グリッドからスタートしたWebike SRC Kawasaki France Trickstarは、序盤にブレーキトラブルを抱えたが、それ以外は、ほぼ5位圏内を走行。しかし、ルマン24時間レースのトップ集団に残り、レースを進めるということは、まさに試練でしかなかった。
Webike SRC Kawasaki France Trickstarのジル・スタフラー監督は、他のファクトリーチームとの大きな相違点として、電子制御システムの性能差を挙げている。
「我々が持っている電子制御システムキットは、標準レベルのもので、YARTや、何よりもSuzukiのようなライバルと戦うのはとても難しいんだ。Suzukiが見せたルマンでの戦い方は、数シーズン前までの我々ができていたことなんだ。だけど、今、それが技術的にできなくなっているんだ。耐久レースでは、アクシデントはつきものだからね。前で何が起こっているかを見極めながら、慎重にレースを運んだよ。しかし、SERTとYoshimuraの協力体制は、とても強力でスキがないよね。今の電子制御システムだと、1スティントあたりの周回数は、他のマシンよりも2周以上も短くて、何よりも、ダンロップタイヤを多用しなければならないんだ。もしも、高性能な電子機器システムを使えれば、コーナーの立ち上がりなどで2気筒、3気筒、4気筒など、エンジンパワーのレベルを調整することができるんだ。だけど、今はそれがないから、タイヤの消耗を抑えることができないし、性能を十分に引き出せていないんだ。セーフティカーがいる場合、その後ろで、Suzukiは37ラップできる。だけど、われわれの場合、33周できたら上出来だと思ってしまうよ。もしも、ライバルよりもピットストップを2回多くしなければならない場合、レース戦略としては、待つこと、そして、そこで踏ん張ることなんだ。」
現在のランキングで2位のWebike SRC Kawasaki France Trickstarは、エストリル12時間レースでそのポジションを守らなければならない。「12時間レースは、トリッキーなレースになるだろうね。」とジル監督は語る。「われわれは、他のチームよりも1回多くピットストップしなければならないことはわかっているからね。24時間レースに比べたら、ライバルたちも問題を抱える可能性が少なくなると思うけど、いずれにしても、それは私が行うレースマネジメントではないからね。だけど、われわれは本腰を入れて戦うしかないんだ。」
次のポルトガル・エストリル12時間レースは、7月17日に開催される。