新シーズンのルール変更点

2018-09-14T17:42:50+02:002018年9月14日|2018-2019, Bol d’Or 2018|

昨シーズンのピットレーンでのヘルメット着用義務、安全確保のための給油方法の改訂に続き、ユーロスポーツ・イベンツとFIMは、テクニカル、スポーティングの各規定についてさらに改訂を行った。2018-2019 FIM EWCが開幕した今、今回のボルドールから適用される主な改訂項目をまとめた。

予選タイム
ライダーは、予選を通過するためには、自分のグループの最速ライダーのタイムの、少なくとも109%(改定前は110%)のタイムをマークしなくてはならない。規定では既に、2019-2020シーズンは最低予選タイムを108%、2020-2021は107%となることを明示している。
ユーロスポーツ・イベンツは、2015年にFIM EWCのプロモーターに就任して以来、世界耐久選手権をそれまで以上にコンペティティブなシリーズにする努力を続けてきた。2015年の115%から、最低予選タイムは2020年には107%にまで厳格化されることになる。

スターティンググリッド
予選でのパフォーマンスで、ファイナルのグリッドが決定される。予選終了からレース開始の間にライダー変更があった場合でも、チームのグリッドポジションは維持される。

エクストラポイント
現在の、レーススタートから8時間(12時間レース)、16時間(24時間レース)経過時点の上位10チームに与えられるボーナスポイントに加え、スターティンググリッドの先頭から5チームには5〜1ポイントの範囲でボーナスポイントが与えられる。このポイントは、レースのリザルトに関係なく与えられる。

エクストラタイヤ
各レースでのタイヤ配分のルールが変更になった。今シーズンから、使用するタイヤに貼付するシールは、レース用と予選用で区別される。
フォーミュラEWCクラス:24時間レースではレース用が41枚、予選用は6枚(昨年は45枚)、12時間レースではそれぞれ23枚、6枚(昨年は27枚)、8時間レース(昨年は20枚)では16枚、6枚(ライダーが2名の場合は16枚、4枚)。
スーパーストッククラス:24時間レースはレース用が23枚、予選用は6枚(昨年は27枚)、12時間レースではそれぞれ14枚、6枚(昨年は18枚)、8時間レースでは9枚、6枚(昨年は13枚)。
ポール・リカール・サーキットは改良されて再舗装されたことから、この変更のみ、ル・マン24時間戦以降から適用される。第82回ボルドールでは使用するタイヤの本数に制限はない。

ピットストップ
ピットレーンで作業、タイヤ、スペアパーツ、ツールの受け取りが認められるのは、4本のオフィシャルアームバンドを身に付けている者に限られる。ライダーがピットレーンボックスに入っている時は、オフィシャルアームバンドを明確に確認できるように装着している4人だけが、マシンの作業を行うことが認められる。この4人は、外部からの補助を受けることはできない。

鈴鹿8時間
コストの抑制とスポーツング面での公平性を維持するために、2019年から鈴鹿8時間には新しいテストに関するルールが適用される。ユーロスポーツ・イベンツからの要望とFIMの承認により、鈴鹿8時間の主催者であるモビリティランドはイベントの特別規則書を改訂することに同意した。

鈴鹿8時間で優勝するという名誉を得るために、ワークス勢、ワークス支援を受けるチームがプライベートテストを投入する動きが高まっており、特にレースを目前に控える7月はスケジュールが過密となっている。テスト回数の制限がないために、チームには負担になり、この名門耐久レースでの参戦を望むその他のFIM世界耐久選手権に参戦するライダー達は大きな重荷になっている。

2019年鈴鹿8時間から、レース主催者であるモビリティランドは、2回の公式テストセッションを予定する。
最初のセッションは、モトGP、FIMスーパーバイク世界選手権の日程が重ならないよう配慮した上で、7月上旬に3日間行われる。
2回目の公式テストは、さらに2日間、鈴鹿8時間のレースウィークに、レースに参加する全チームを対象として行われる。

この2回の公式テストセッションの間に、ワークス支援を受けないチームとFIM EWCシリーズ、モトGP、FIMスーパーバイク世界選手権に参戦しないライダーが、鈴鹿サーキットを使用することが認められる。

このルールは、鈴鹿8時間の特別規則書に追加される。このルールに違反した場合、FIMの国際裁判所にかけられ、コンペティターにはペナルティが科せられる。この制裁は、レースからの失格に及ぶ可能性も持っている。
チームのコスト削減に加え、7月に鈴鹿サーキットでのテストに関して新しい枠組みが出来たことで、FIM EWCの主要チームと、EWCグランド・フィナーレとなる2019年鈴鹿8時間だけに参戦する日本チームとの間の、スポーティング面での公正性を高めることを目指す。