激動の2021年シーズンを振り返って

2021-10-27T10:12:50+02:002021年10月26日|2021|

6月から10月までの5ヶ月間という短い期間で開催された2021年FIM EWCシーズンは、各レースで毎回、スリリングな展開が繰り広げられ、ファンの視線を釘付けにした。2021年FIM EWCチャンピオンとなったYoshimura SERT Motulを始め、BMW Motorrad World Endurance TeamやF.C.C. TSR Honda Franceといったチーム達が各レースで優勝を果たしたが、他にも多くのチームが各場面で主役となり、2021年シーズンを盛り上げた。

日仏連携による新スズキファクトリーチームのYoshimura SERT Motulは、ルマンとボルドールの2つの24時間レースを制し、BMW Motorrad World Endurance Teamを抑え、2021年の世界タイトルを獲得した。BMWファクトリーチームのBMW Motorrad World Endurance Teamは、ルマン24時間レースとエストリル12時間レースで表彰台を獲得し、最終戦モスト6時間レースでは見事に初優勝を飾り、2年目のシーズンを終えた。

フランスのカワサキチーム、Webike SRC Kawasaki France Trickstarは、優勝はなかったものの、ルマン24時間レースとエストリル12時間レースで総合2位を獲得し、最終戦モストでもYoshimura SERT Motulと最後まで競り合うなどの素晴らしいレース運びを展開し、総合3位を獲得した。ボルドール24時間レースでは、途中まで表彰台を獲得できるポジションで奮闘していたが、残念ながらエンジントラブルによりリタイアした。

これらのファクトリーチームに次ぐ世界ランキング4位を獲得したVRD Igol Experiencesは、EWCクラスにステップアップして以来、最高のシーズンを過ごした。ヤマハがサポートするこのプライベートチームは、他のプライベートチームを先行。ルマン24時間レースではEWCクラス4位、エストリル12時間レースではBMW Motorrad World Endurance Teamと3位表彰台をかけた戦いを繰り広げるなのどの活躍を見せ、総合4位、ボルドール24時間レースではEWCクラス3位を獲得したが、モスト6時間レースではマシントラブルによりリタイヤに終わった。しかし、2016-2017シーズンでFIMスーパーストック・ワールドカップを獲得したVRD Igol Experiencesは、2つのファクトリーチームを抑え、初めてFIM EWCクラスのトップ5入りを果たした。

2021年の総合ランキングで5位に終わったF.C.C. TSR Honda Franceは、激しいシーズンを過ごした。ルマンでは、2位を周回中に電気系トラブルとクラッシュに見舞われ、ゴール直前で9位に後退。エストリル12時間レースでは優勝を果たし、再びタイトル争いに加わったが、ボルドール24時間レースでは再びマシントラブルによりリタイア。この時点で世界制覇への望みを絶たれた。さらに最終戦モスト6時間レースでもクラッシュを喫し、2021年の総合表彰台からも遠ざかってしまった。

オーストリアのファクトリーチーム、YART-Yamaha Official EWC Teamは、本来の実力を発揮できずに2021年FIM EWCランキング6位という結果で終了した。ヤマハマシン#7は、今シーズンに開催された4レース中、3レースでポールポジションを獲得するという実力を見せ、Yoshimura SERT Motulだけが、ボルドールのスターティンググリッドでYARTの前に出ることができた。しかし、YART-YAMAHA Official EWC Teamは、ルマン24時間レースとボルドール24時間レースでリタイアし、エストリル12時間レースでは、レース終盤に転倒するなど、最後まで優勝するチャンスを掴むことができなかった。モスト6時間レースでは、マービン・フリッツ選手が最後の30分間で4回もラップレコードを更新するという離れ業を見せ、レース終盤にトップを走っていたBMW Motorrad World Endurance Teamと激しい優勝争いを展開したが、残念ながら、100分の7秒差で2位に終わり、それが今シーズンにおいての唯一の見せ場となった。

FIMスーパーストック・ワールドカップで2連覇を達成し、今シーズン、EWCクラスにステップアップしたMoto Ainは、注目を浴びる中、総合7位を獲得した。ヤマハがサポートするこのフランスのプライベートチームは、初戦のルマン24時間レースではリタイヤしたものの、エストリルで5位、ボルドールで2位を獲得し、素晴らしい追い上げを見せた。しかし、最終戦のモストではクラッシュを喫し、EWCクラス初年度で総合トップ5入りを果たすことはできなかった。

ドイツのプライベートチーム、Motobox Kremer Racingは、2021年のランキングで2010年に獲得した総合6位の次ぐ好成績となる8位を獲得し、最高のシーズンを過ごした。オレンジカラーでおなじみのMotoboxのヤマハマシンは、すべてのレースで完走を果たし、ボルドールでは、総合9位、EWCクラス4位に入り、ポイントを獲得するなど、最高のパフォーマンスを発揮した。

ERC Endurance-Ducatiは、昨シーズンから耐久レース用パニガーレV4Rの開発に取り組んできた。2021年シーズンでは、ルマン24時間レースでEWCクラス5位に入賞し、素晴らしいスタートを切ることができた。また、ボルドール24時間レースでは、大半のチームと同様にリタイヤを余儀なくされたが、エストリルとモストでもEWCクラストップ6入りを果たした。ドゥカティは今シーズン、耐久マシン開発の手応えを得ることができたようだ。

2021年総合ランキング10位のLe Maco Racing Teamは、スロバキアでの新型コロナウィルスのパンデミックのためにシーズンを早く切り上げなければならなかった。Maco Racing Teamは、ポルトガルでは欠場したが、他の3つのレースではポイントを獲得した。

2019-2020年シーズンにおいて、総合4位と輝かしい成績を収めたポーランドのヤマハチーム、Wójcik Racing Teamは、2021年シーズンはクラッシュやマシントラブルで苦しい展開となったが、モスト6時間レースでは見事5位を獲得し、総合11位を獲得した。

フランスのカワサキチーム、Tati Team Beringer Racingは、練習走行やレースの序盤では素晴らしいパフォーマンスを見せたものの、本戦で大きな成果を上げることはできず、総合12位という結果に終わった。しかし、Tati Team Beringer Racingは、複数回のリタイアを余儀なくされたものの、アラン・テッカー選手の奮闘により、ルマン24時間レースとボルドール24時間レースにおいて最速ラップを記録するなどの活躍を見せた。

総合13位のTeam LRP Poland(BMW)は、ルマン24時間レースではリタイアしたが、他のレースではポイント獲得に成功した。

Bolliger Team Switzerlandは、ルマン24時間レースでテクニカルトラブルによりリタイヤを喫し、シーズン総合14位という結果となった。この歴史あるカワサキチームは、今シーズン、チーム創設者の父親から息子へと監督業のバトンタッチが行われるなどの新体制でスタート。エストリルでは8位入賞を果たし、事態を収拾した。

3ART Best of Bikeは、2019-2020年シーズンでは好成績を収めたが、今シーズンでは、エストリル12時間レースのEWCクラス10位を獲得した時の13ポイントしか獲得できず、EMRT(ボルドール24時間レースEWCクラス6位)、GT Endurance(ルマン24時間レースEWCクラス9位)に次ぐ最下位の17位という結果に終わり、特に厳しい1年を過ごした。

FIM EWC 2021年シーズンの最終結果と順位