耐久レースを夢見るライダーたち
耐久レースは、多くのライダーにとって夢の存在だ。国際的に活躍するライダーでも、FIM世界耐久選手権を目指す者は多い。その中には、既にコースを経験しているライダーもいる。そのように復帰を目指す者もいれば、耐久レースでのデビューを夢見る者もいる。
世界耐久選手権の参戦を目指すモーターバイクのレーサーは、年々増えている。ジェレミー・グアルノーニ(スーパーストック1000)は、昨年以来、チーム SRC カワサキ・フランスの主力ライダーとして活躍している。ランディ・デ・プニ(モトGP)はカワサキからホンダ・エンデューランス・レーシングにスイッチし、ヨニー・ヘルナンデス(モトGP)とともに参戦している。マイク・ディ・メグリオ(モトGP、モト2、2008年GP125チャンピオン)は、今やF.C.C. TSR ホンダ・フランスの一員だ。ロベルト・ロルフォ(世界スーパースポーツ、2003年GP250世界選手権シリーズ2位)は先日、モト・アインから参戦したFIM耐久ワールドカップを制したばかり。
今シーズンは、ザビエル・シメオン(モト2、モトGP)とフローリアン・マリノ(世界スーパースポーツ、スーパーストック1000)がVRDイゴール・ピエール・エクスペリエンスのヤマハに乗っており、ジノ・リー(世界スーパースポーツ)はWojcik Racing Teamに加入した。
ニコ・テロル、ロリス・バズ、そしてベン・スパイス
耐久レースを一度経験したライダーは、多くが再びその舞台に戻ってくる。2019年ル・マン24時間で耐久レースデビューをしたニコ・テロル(2011年GP125世界チャンピオン)は、日本のチーム・フロンティア(ホンダ)からアラン・テッチャー、ダニー・ウェッブとともに鈴鹿8耐のスターティンググリッドに並ぶ。
ロリス・バズ(モトGP、世界スーパーバイク)は2013年にチーム SRC カワサキ・フランスからボルドールに参戦して優勝した他、2011年のル・マン24時間ではYART ヤマハから参戦して3位を獲得しており、さらに耐久レースに参戦したい意向をACOに伝えている。「自分はこのスポーツが特に好きなのだ、ということが分かった」とバズは語る。「他のレーシングシリーズとは全く違う。ル・マン24時間に出たいし、今後は他のFIM EWCにもヤマハで参戦したい。お気に入りのブランドだし、耐久レース界の象徴的なマニュファクチャラーだ。WSBKでの参戦を続けながら、この目標を果たすために進むべき道を進もうとがんばっている」
そして、米国のベン・スパイス(世界スーパーバイク、モトGP)も、再び耐久レースに参戦するために意欲を高めている。「もしバイクに乗ってフィーリングがよければ、そして自分の速さが戻り始めれば、ル・マン24時間、ボルドール、そして鈴鹿8時間に参戦したい。可能性は充分ある」
ぜひ注目していきたい。