開催が近づき盛り上がりを見せる鈴鹿8耐
鈴鹿8時間まで40日となる中、2019年のレースは記憶に残る一戦となりそうだ。日本のワークスチーム勢は明確な目標を持ってこのレースに臨んでくる。それは、ヤマハ・ファクトリー・レーシングチームの5連覇を阻止して優勝を飾る事だ。第42回目を迎える今回の鈴鹿8時間は、FIM EWCのシーズンフィナーレにも当たる。チーム SRC カワサキ・フランス、スズキ・エンデューランス・レーシング・チーム、F.C.C. TSR ホンダ・フランスは、タイトルを目指して挑んでくる。
2015年以来、鈴鹿8耐では負けなしのヤマハ・ファクトリー・レーシングチームは、今回も2017年、2018年を制したラインナップを敷く。中須賀克行、アレックス・ロウズ、マイケル・ファン・デル・マークが、ヤマハが1985年に初めてワークス参戦した時の歴史的なカラーリング、資生堂Tech 21のヤマハで5連覇を目指す。
カワサキが復帰
他にも、ヤマハ・ファクトリーの計画を阻止しようと息巻く日本のマニュファクチャラーがいる。カワサキは、KRTファクトリーチームから、鈴鹿に復帰。ここ3年はカワサキ・チーム・グリーンとしてポディウムフィニッシュを果たしてきたが、今年はカワサキ・レーシング・チームが、ジョナサン・レイ、レオン・ハスラム、トプラック・ラズガットリオグルの顔ぶれで優勝を目指す。この3人のライダーは、FIMスーパーバイク世界選手権のトップ7。ジョナサン・レイとレオン・ハスラムは、カワサキ・チーム・グリーンから参戦した昨年の鈴鹿で3位フィニッシュを果たしている。
ヨシムラスズキはラインナップを強化
スズキに乗るヨシムラもラインナップを発表している。スズキのモトGPのテストドライバー、フランスのシルバン・ギュントーリは、2人の日本人ライダー、渡辺一樹と、ヨシムラのカラーに復帰したベテランの加賀山就臣とともにサドルを共有する。加賀山は2011年の鈴鹿を2位でフィニッシュした後、自身のチーム、Team KAGAYAMAでエントリーし、2013〜2015年の間、3位を独占した。
HRCを筆頭にホンダ勢が多数参戦
鈴鹿では、サーキットはホンダカラーで賑わう事になりそうだ。昨年、鈴鹿のレースに戻ってきたホンダHRCは、鈴鹿8耐で3回優勝を経験しJSB1000で現在ランキング1位につけている高橋巧、FIMスーパーバイク世界選手権のライダーで鈴鹿では過去4回勝利を挙げている清成龍一、HRCのモトGPでのテストライダー、ステアファン・ブラドルが、レッドブル・ホンダの#33に乗る。ホンダ勢としては、Musashi RT Harc-Pro Honda、au Teluru RT、KYB Moriwaki Racing、Honda Asia Dream、Honda Dream RT桜井がいる。言うまでもなくF.C.C. TSR ホンダ・フランスは2018-2019 FIM EWC タイトルを狙っており、ホンダ・エンデューランス・レーシングはリタイアを余儀なくされてオッシャースレーベンからの復活を目指している。
日本の舞台で世界タイトルを巡って三つ巴の戦い
この鈴鹿8耐では、3チームがFIM世界耐久選手権のタイトルを巡って戦いに挑んでいく。グランドフィナーレを前に、タンディングスではチーム SRC カワサキ・フランスがス132ポイントで首位に立っており、スズキ・エンデューランス・レーシング・チームが127ポイント、F.C.C. TSR ホンダ・フランスが109ポイントで続いている。それぞれが目指すのは、母国戦で日本勢トップになる事、そして通常の150%のポイントが与えられるシーズンフィナーレでのチャンスを活かして、世界タイトルを奪取する事だ。鈴鹿8耐のウィナーには、45ポイントが与えられる。
第42回鈴鹿8耐は、日本で7月28日日曜日に行われる。