2020ルマン24時間レース、F.C.C. TSR HONDA FRANCEが優勝

2020-08-30T16:59:15+02:002020年8月30日|2019-2020, 24 Heures Motos 2020|

日本を代表するホンダチーム、F.C.C. TSR Honda Franceが、Webike SRC Kawasaki France TrickstarとSuzuki Endurance Racing Teamを抑え、ルマンで2度目の優勝を飾った。しかし、Suzuki Endurance Racing Teamが、依然としてチームランキングをリードしている。

2020ルマン24時間レースの表彰台には、3つの異なるコンストラクターと3つの異なるタイヤメーカーが名を連ねた。ブリヂストンを装着するF.C.C. TSR Honda Franceは、ジョシュ・フック選手、フレディ・フォーレイ選手、マイク・ディ・メリオ選手のライダートリオにより、ルマンの2回目の優勝を成し遂げた。

ミシュランタイヤを装着しての初戦となったWebike SRC Kawasaki France Trickstarは、ジェレミー・ガルノニ選手、エルワン・ニゴン選手、デビッド・チェカ選手の活躍で2位を死守。彼らは、ダンロップを履くSuzuki Endurance Racing Team(エティエンヌ・マッソン選手、グレッグ・ブラック選手、ザビエル・シメオン選手)に1周差をつけてゴールした。

YART Yamaha(ブリヂストン)は、レース序盤で転倒した後、懸命にプッシュしてトップ集団に復帰。カレル・ハニカ選手、マービン・フリッツ選手、ニッコロ・カネパ選手のライダートリオが、トップから5周遅れの4位でゴールした。

5位を独走していたBMWファクトリーチームのBMW Motorrad World Endurance Teamであったが、レース終盤にイルヤ・ミハルチク選手が転倒し、順位を落としてしまった。BMW Motorrad World Endurance Teamは、フィニッシュラインを越えることができなかったため、完走扱いにはされていない。このレース終盤のドラマティックなハプニングにより、F.C.C. TSR Honda Franceは、暫定チームランキング2位に浮上した。

また、VRD Igol Pierret Experiencesは、3ART Best of BikeとEWCダンロップ・インディペンデント・トロフィーの栄冠を獲得したポーランドのWójcik Racing Teamの前でゴールし、5位を獲得した。

素晴らしかった2020ルマン24時間レース
スリリングで緊張感のあるレースだった。
気まぐれな天候と刻々と変化するコースコンディションのため、チームは24時間に渡って、常にプレッシャーと戦っていた。

レース終盤には、再び雨が降ってきたこともあり、チームは、タイヤ戦略の変更を余儀なくされた。Suzuki Endurance Racing Teamは、このトリッキーなコースコンディションのため、ゴールまであと2時間と迫っていたところで転倒。Webike SRC Kawasaki France Trickstarへの2ラップのリードを失い、2位の座を明け渡してしまった。

このレースでは、FIM Endurance Championshipのチャンピオンの行方を決定づけることができなかった。9月26日(土)にポルトガルで開催されるエストリル12時間耐久選手権の決勝まで1ヶ月を切ったが、今、6つのファクトリーチームのうち5つのチームが暫定ランキングの上位グループを形成している。ドイツのチーム、Team ERC Enduranceが、週末を通して素晴らしいパフォーマンスを披露していたが、残念ながらドゥカティは、このグループから脱落した。ドゥカティは、ルマンでトップ集団につけようと最大限の努力をした。しかし、燃料切れ、複数回のクラッシュ、技術的な問題などに直面し、最終的には夜の終わりに電気系統のトラブルでリタイアした。

GERT56 by GS YuasaのBMWがスーパーストッククラスで優勝
ルーシー・グロックナー選手、ステファン・ケルシュバウマー選手、トニ・フィンスターブッシュ選手を擁するBMWチームが、スーパーストッククラスで完璧なレースを展開し、今季初優勝を飾った。GERT56 by GS YuasaがNo Limits Motor TeamとMoto Ainを抑えて優勝したことで、FIMスーパーストック・ワールドカップチャンピオンの行方は次戦までのお預けとなった。数回にわたるクラッシュにもかかわらず、なんとか表彰台を獲得したMoto Ainが未だ暫定ランキングのトップをキープしているものの、エストリルでの最終戦を前にして、ポイント差は縮まっている。

BMRT 3D Maxxess Nevers と Wójcik Racing Teamは、数回のクラッシュの後にリタイアし、このクラスでの総合優勝のチャンスを失った。

アンソニー・デルハールEWCスピリット・トロフィーを受賞したAprilia Le Mans 2 Roues
ルマン24時間レースの常連で、唯一アプリリアマシンを使用する地元のチーム、Aprilia Le Mans 2 Rouesには、アンソニー・デルハールEWCスピリット・トロフィーが与えられた。ネルソン・メジャー選手が転倒した後、エディ・デュピュイ選手とマルコ・ブーエ選手の2人が夜通し走り続け、アプリリアをレースに引き戻した。ネルソン選手は、チームメイトがプレッシャーに負けないようにとレースに復帰し、結果、アプリリアマシン#15は、27位で完走を果たした。彼らの闘志が、アンソニー・デルハール氏を偲ぶトロフィーをチームに与えたのだ。

レース主催者のACOとFIM EWCのプロモーターであるEurosport Eventsは、無観客で行われた2020ルマン24時間レースを終え、来年の開催日程を発表した。第44回目となる「ルマン24時間レース」は、2021年4月17日と18日に開催される。

2020ルマン24時間レース – 暫定決勝結果