BMW Motorrad World Endurance Teamは、スタートで3位、ゴールも3位と、同じ順位であったものの、そのレース内容は、そう簡単なものではなかった。

マーカス・ライターバーガー選手は、ホールショットを奪ったが、4周目に喫した転倒で、ファクトリーチームのBMW M1000RRは、トップ集団から遅れを取ってしまった。しかし、ヴェルナー・デーメン監督率いるチームが最も時間を費やしたのは、このクラッシュの修復ではなかった。BMWは、燃料吸入システムに問題を抱え、2度ピットに戻ってきた。

BMW Motorrad World Endurance Teamのテクニカル・ディレクター、スティーブン・カザール氏は、私たちにこう語ってくれた。「クラッシュによってロスしたタイムは、約22秒。だけど、燃料システムの問題で費やした時間は、合計24分もあったんだ。全パワーが失われるというトラブルが発生したが、最初はトラクションコントロールの問題だと思って、1回目のピットストップを行ったんだ。だけど、問題は解決しなかった。燃圧には問題なかったけど、燃料の設定が薄い状態になっていることがわかったんだ。だから、燃料システム全体を交換することにしたよ。調べた結果、インジェクターが詰まっていた。再び問題が発生することを想定して、別の燃料システムのフルセットを用意したんだ。7時間後に再びパワーダウンしたから、再び燃料システム全体を交換を行った。ここでもインジェクターが詰まっていたんだよ。その後は問題は起こらなかったよ。」

その後、マーカス・ライターバーガー選手、イルヤ・ミハルチク選手、ハビエル・フォーレス選手の3人は、BMWマシンを再び表彰台順位まで引き上げた。ゼッケンナンバー#37のBMWマシンは、AM6:00頃にイルヤ選手が記録した1分36秒855というレース中3番目に速いタイムを記録した。

BMW Motorrad World Endurance Teamは、このルマン24時間レースでの3位入賞により、貴重なチャンピオンシップ・ポイントを44ポイント獲得した。

7月17日に開催される次戦、エストリル12時間レースには、マーカス・ライターバーガー選手、ハビエル・フォーレス選手、ケニー・フォレイ選手の3人が参加する。「イルヤは、ドイツのIDM選手権に参戦するため、不在なんだ。」とスティーブン・カザール氏は語った。「そのため、ケニーがライダートリオをまとめることになるね。これが、同じレベルのライダーが4人いるチームの利点なんだよ。」