EWC Q&A インタビュー:ザビエル・シメオン選手(YOSHIMURA SERT MOTUL)
地元のヒーロー、ザビエル・シメオン選手(32)は、6月4日から5日にかけて行われるFIM世界耐久選手権2022年シーズン第2戦、スパ24時間EWCレースにチームメイトのグレッグ・ブラック選手、シルバン・ギュントーリ選手とともに参戦するが、彼らがこのレースでの優勝候補であることは間違いない。
先月行われたルマン24時間レース優勝後、EWCランキングでトップに立つディフェンディングチャンピオンのYoshimura SERT Motulだが、ベルギー出身のザビエル選手は、FIM世界耐久選手権が2001年以来初めてスパ・フランコルシャン・サーキットに戻ってくる前にこのようなコメントを残してくれた。
Q:スパ・フランコルシャンの思い出は?
ザビエル選手:「僕が5歳か6歳の時だったかな。父(ミシェル)のレースで、ここに来たことがあるんだ。僕は世界耐久のパドックで育ったようなものだから、スパで育ったということだよね。」
スパは伝説的なサーキットとして位置づけられているが、このコースをどのように表現する?
ザビエル選手:「このコースはすごく魅力的なサーキットなんだけど、超高速サーキットなんだ。高い集中力とマシンへの信頼が必要だから、とても神経を使うサーキットだと思うよ。」
素晴らしいけど、難しいサーキット?
ザビエル選手:「特に夜間は、とてもハードなレースになるだろうね。ラップタイムで大きな差が出るコースだから、本当にこのコースをよく理解しなければならないんだよ。でも、だからこそ、誰もが世界で最も美しいコースだって言うんだよ。森の中に長いコーナーがあって、7㎞も続くんだ。コースは本当に素晴らしいんだよ。」
スパでの天候はどの程度影響する?
ザビエル選手:「2005年と2006年にスパでレースをしたんだけど、天気はこんな感じで、いつだってコロコロ変わるんだ。コース終盤では雨が降っていても、序盤の方では降っていないなんてこともあるんだ。だから、このコースをよく理解しないといけないんだ。」
ホームグランドであり、スパで育ったという事から、何か有利な点がある?
「昨年、ブリヂストンと一緒に、僕のスタンダードバイクでテスト走行をしたんだ。でも、僕はF.C.C. TSR Honda FranceやBMWの方が有利だと思っているんだよ。なぜなら、BMWは去年多くのテストを行っていたし、彼らはスパ6時間レースにも出場してたからね。F.C.C.は何度かテストをしに来たていたし、(僕のチームメイトの)グレッグ(ブラック選手)やシルヴァン(ギュントーリ選手)は、テスト走行する前、このコースをよく知らなかったんだ。僕はベルギー人だけど、チームとしてのデータ不足から、僕らが本命だとは思っていないんだ。レース中は。早いということはもちろん重要なんだけど、誰がラッキーなのかということも重要なんだ。24時間はすごく長いからね。」
6.985kmという長いコースは、戦略にどのような影響を与える?
ザビエル選手:「戦略はテストの経験から作られるもので、あと1回テストが残っている。まだ多くのことを理解しなければならないから、その時に戦略を作るよ。そして、それが正しいかどうかをチェックしながら、何か足りないものがあれば、レース中に対応していくことになるね。」
ルマン24時間レースで優勝し、ランキングトップにいることは、プラスかマイナスか?
ザビエル選手:「レースには歴史があり、瞬間があり、さまざまなことが起こりうるからね。一戦一戦戦っていくしかないんだよ。ライバルたちはとても強いということもわかっているけど、彼らはプッシュして勝とうとするだろうけど、僕らが勝ちたいのか、それともただプッシュして限界を超えて勝ちたいのか、あるいはただ表彰台に上りたいのか、それは僕らの手にかかっているんだ。予想は難しいね。」
スパで勝つこととEWCのタイトルを守ること、どちらが優先?
ザビエル選手:「(ホームで勝つのは)素晴らしいことだが、それが最重要ではないんだ。もし、3位か4位が限界なら、そこを狙いに行くよ。でも、勝つことができればもちろんいいし、チャンピオンシップでも有利になるのは間違いないからね。」