SERT、鈴鹿に向けての決意に揺るぎなし

2019-06-28T11:41:16+02:002019年6月28日|2018-2019, Suzuka 8 Hours 2019|

既に何度もFIM EWCタイトルを獲得しているスズキ・エンデューランス・レーシング・チームだが、このタイトルを再び獲得すると強く決意を固めていることは明らかだ。鈴鹿の後にはチームボスを退くことを決めているドミニク・メイランド率いるこのチームが、チーム SRC カワサキ・フランスまでわずか5ポイント差で迎える日本戦は、張り詰めた見応え充分のレースになること必至だ。

スズキ・エンデューランス・レーシング・チームは、これまでFIM世界耐久選手権タイトル獲得15回と、輝かしい記録を築いてきている。今年、タイトル数をもう1つ重ねる事ができれば、チームマネージャー(1980年にSERTを立ち上げた)ドミニク・メイランドは最高の形で、今後スズキから発表される新マネージャーにバトンを渡す事ができる。

しかし、今のスズキ・エンデューランス・レーシング・チームは、2018-2019 FIM EWCのシーズンフィナーレとなる鈴鹿8耐に完全集中している。ここで目指すのは、ただ1つ。チーム SRC カワサキ・フランスとの5ポイント差を詰めることだ。スズキ勢は、スロバキアでスタンディングス首位に立ったが、ドイツのオッシャースレーベン8時間で2度のクラッシュを喫した事でタイトル争いの行方は分からなくなり、3チームがタイトル獲得に可能性を残している。現在、チーム SRC カワサキ・フランスが首位に立っており、スズキ・エンデューランス・レーシング・チーム、そして現王者のF.C.C. TSR ホンダ・フランスが続いている。

ドミニク・メイランドは、この日本戦に向けてのスズキ・エンデューランス・レーシング・チームの戦略を明かした。「簡単には行かないよ!」とメイランド。「鈴鹿の事を予想するのは何でも難しい。天気の事もあるし、選手権争いに絡まずにレース勝利を狙ってくる日本チームもいる。カワサキは選手権リーダーなので、戦略は明らか。タイトルを決めるために、とにかく自分たちの後ろにピッタリとついていればいいんだ。だから、自分たちに残されている選択肢は、スロットル全開で攻める事だけだ。もし、オッシャースレーベンでの2回のクラッシュがなければ、自分たちは選手権リーダーとして鈴鹿を迎えることができていた。しかし、自分たちとカワサキSRCはどちらもそれぞれに他のトラブルを抱えたら、それがホンダ#1の戦略だ。彼らは失うものは何もないので、ポディウムフィニッシュのために全力を尽くしてくるだろう。レースは周りから見ればとても興味深いものになると思うが、当事者は緊張が多いし、もちろん鈴鹿では獲得ポイントが増えるから、スタンディングスが入れ替わる可能性は残っている」

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スズキ・エンデューランス・レーシング・チームは、7月9〜11日に鈴鹿で行われる公式テストに参加し、7月28日にこの日本のサーキットで行われるフィナーレに向けて準備を行う。一方、チーム SRC カワサキ・フランスは、レースウィークの7月24日(水)に行われる追加テストに参加する。

「7月上旬のテストでの我々の一番の目的は、タイヤチョイスを固めることと、英国スペックか、ダンロップが提案する日本のスペック、どちらで行くかを決めることにある」とドミニク・メイランド。「これまでのレースでは、この2つを交替で使っていた。この2つの仕様はコンパウンドと構造が全く異なっている。日本で開発されたタイヤが必ずしも自分たちのバイクセッティングに合うという訳ではないので、ライダーたちのフィーリングをベースにチョイスを決めていく」

スズキ・エンデューランス・レーシング・チームは、1980年に初めて参戦した鈴鹿8耐を4位でフィニッシュし、1981年には2位、その後、1983年には優勝を飾っている。「チームは、1980年以降、このレースに参加しなかったのは2回しかない」とドミニク・メイランドは語る。

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