YART がスロバキア戦で優勝
ドラマの連続となった見応えのある8時間のバトルの末、YART ヤマハがスロバキアリンクの勝者の座を勝ち取った。スズキ・エンデューランス・レーシング・チーム、F.C.C. TSR ホンダ・フランスが続いた。SERTはこれで、世界ランキングのトップに浮上した。
このオーストリア拠点のヤマハのチームは、これで2年連続でスロバキアリンク8時間を制したことになる。YART ヤマハのブロック・パークス、マービン・フリッツ、ニッコロ・カネパは、一度も首位グループから外れることはなかった。レースのスタートからホンダ・エンデューランス・レーシング、F.C.C. TSR ホンダ・フランスとバトルを展開したが、最終的にはスズキ・エンデューランス・レーシング・チームに1周差をつけての単独リードでフィニッシュを迎えた。#2スズキに乗るヴィンセント・フィリッペ、エティエヌ・マッソン、グレッグ・ブラックは、完璧なレース運びでチームマネージャーのドミニク・メリアンドに今回もポディウムを献上した。
F.C.C. TSR ホンダ・フランスのバイクに乗るジョシュ・フック、フレディ・フォレイ、マイク・ディ・メグリオは、鮮烈な速さを取り戻してポディウム3番目の位置に上がった。現チャンピオンでもあるこの日本のホンダチームは、レース序盤はブレーキトラブルにより後方にまで後退し、首位に3周差がついていた。しかし、マイク・ディ・メグリオの果敢な走りで上位に挽回。序盤にはファステストラップ 2:03.938をマークし、コースレコードも更新した。
Wepol Racing(シェリダン・モライス、ダニエル・ウェッブ、マイケル・ラバティ、#13ヤマハ)は、VRD Igol Pierret Expériences(フローリアン・アルト、フローリアン・マリノ、ザビエル・シメオン、#333 ヤマハ)と4位争いを展開。両チームとも好ペースを維持し、レースを通してトップ10圏内を維持した。
スーパーストックでも見事なレース
スーパーストップ部門の最上位も、総合6位に食い込んだ。今回も見応えのあるバトルの末に、この日はジュニアチーム・ル・マン・スッド・スズキ(ルイス・ロッシ、ヒューゴ・クレア、アレクシス・マスボウ)が部門優勝。カワサキのBMRT 3D マッチオ・レーシング(アンソニー・ルイショー、ジミー・マッチオ、ジョナサン・ハルド)、チーム33コヨーテ・ルイ・モト(エンツォ・ブーロム、クリス・リーシュ、ケビン・マンフレディ)が続いた。ポディウム圏内のすぐ後方では、モト・アイン、GERT56 by GS Yuasa、No Limits Motor Team、Wójcik Racing Team 2と、さらに4チームが熱いバトルを展開した。総合11位でフィニッシュしたGERT56 by GS Yuasa は、FIM スーパーストック・ワールドカップの首位を維持している。
スズキ・エンデューランス・レーシング・チームが選手権首位に
YART ヤマハと長いバトルの末に、ホンダ・エンデューランス・レーシングは8位でフィニッシュ。英国のホンダとオーストリアのヤマハは、6時間に渡って首位攻防を続けたが、ランディ・デ・プニの2度目のクラッシュで、#111ホンダの優勝への望みは絶ち消えた。
今回のスロバキアリンク8時間では、さらに3チームの強豪が戦線離脱を余儀なくされた。チーム SRC カワサキ・フランス、チーム ERC-BMW モトラッド・エンデューランス、ファニー・ガストロ BMW モトラッド by マーキュリー・レーシングは、メカニカルトラブルによりリタイアとなった。このカワサキのワークスチームのリタイアにより、ここまでの3戦でそれぞれに勝者が異なることになり、FIM世界耐久選手権のタイトル争いは一気にオープンになった。現時点では、スズキ・エンデューランス・レーシング・チームが世界ランキングの暫定首位に立っている。
EWCカレンダーの次のレースは、6月9日にドイツで開催されるオッシャースレーベン8時間。