YART YAMAHA、電子制御システムを改良
2019-2020 FIM EWCで準チャンピオンを獲得したオーストリアのファクトリーチーム、YART Yamahaは、2021年のシーズンでもチャンピオンへの最有力候補である。彼らにとっての新しい武器は、ヤマハ YZF-R1に新しく搭載された電子制御システムなのだ。
YART Yamahaは、2020年9月にポルトガルで開催されたエストリル12時間レースで優勝するなど、2019-2020シーズンでは、4レース中2レースにおいて優勝を果たし、FIM世界耐久選手権の総合ランキング2位を獲得した。その結果を踏まえ、YART Yamahaは、2021シーズン、世界チャンピオンを目指してくるだろう。もしもチャンピオン獲得が実現すれば、2009年にFIM世界耐久選手権タイトルを手にしたYART Yamahaの実績に、2つ目の金星が加わることになる。
2021年2月第2週、ブリヂストンとともにブガッティ・サーキットで走行テストを行っているYART Yamahaは、特に、新しくヤマハ YZF-R1に搭載された電子制御システムがR1のすべての性能をより詳細に、そしてより繊細に引き出すことを可能にしているため、そのセッティングに重点を置いている。
YART Yamahaのマンディ・カインズ監督は、「特に燃費向上に注力しているんだ。」と語る。「われわらがレースで負けるとしたら、遅いからではなく、燃料消費量が多すぎるからなんだ。ライバルたちにプレッシャーを掛けられるし、そうすると、コース上では、より多くのリスクを取らざるを得なくなるんだ。例えば、エストリルでは、ピットストップを2回増やしたから、勝つためにはもっと速く走らなければならなくなり、たくさんのリスクを冒さなければならなかったんだ。それに、電子制御システムを改良する時には、マシンの安全を確保することもとても重要なんだよ。
燃費をしぼると、エンジントラブルの可能性も高まるからね。ルマンに向けて、この作業に集中して、長距離テストを行っているんだ。」
YART Yamahaは、10日後の3月22日に再びテストを行う予定だ。「ニッコロ(・カネパ選手)が足の骨折から復帰するからね。」マンディ監督は自信を持ってこう語る。「ニッコロがルマン24時間レースに帰ってくることは99%間違いないよ。バックアップライダーとして、マイケル(・ラヴァーティ選手)もいるし、若くて絶好調のマービン(・フリッツ選手)とカレル(・ハニカ選手)は、2人組みでもレースに挑むことだってできるからね。」