YOSHIMURA SERT MOTUL、ルマン24時間レース優勝
新日仏同盟チームのYoshimura SERT Motulは、初参加したルマン24時間レースで、見事、勝利を収めた。スズキワークスチームは、2021年FIM EWC開幕戦であるルマン24時間レースで、Webike SRC Kawasaki France TrickstarとBMW Motorrad World Endurance Teamを抑え、優勝した。ホンダ陣トップの順位とスーパーストッククラス初優勝を手にしたNational Motosは、総合5位でフィニッシュした。
第44回ルマン24時間レースでは、全855周のうち819周をトップで走行したYoshimura SERT Motulが優勝に輝いた。グレッグ・ブラック選手、ザビエル・シメオン選手、シルバン・ギュントーリ選手が駆るスズキファクトリーマシンは、レース序盤でブレーキトラブルを抱え、復活したWebike SRC Kawasaki France Trickstarのジェレミー・ガルノニ選手、エルワン・ニゴン選手、デビッド・チェカ選手に8周の差をつけてゴールした。
BMW Motorrad World Endurance Teamは、苦戦を強いられたが、トップから13周差の3位でフィニッシュ。レース序盤に転倒を喫し、順位を落としたが、マーカス・ライターバーガー選手、イルヤ・ミハルチク選手、ハビエル・フォーレス選手の3人は、表彰台獲得順位に戻るために全力で走り続けた。
創業者の息子であるケビン・ボリガー氏が引き継いだばかりのカワサキのプライベーターチーム、Bolliger Team Switzerlandにとって、4位獲得は優勝にも等しい価値があるに違いない。このチームは、新しいライダーラインナップで19番グリッドからのスタートだった。イアン・ビューン選手、イエスパー・ペリイエフ選手、オンドジェイ・イェジェク選手の3人は、24時間レースを完璧に走りきり、表彰台の最下段を獲得した。
スーパーストックの競争力
スーパーストックチームは、スーパーストッククラスの首位が総合5位に入賞するなど、ルマン24時間レースの盛り上がりに大きく貢献した。ホンダ陣最高位とEWCダンロップ・インディペンデント・トロフィーを獲得したNational Motosは、ステファン・エゲア選手、グイラーム・アンティガ選手、ケビン・トゥルーブ選手のライダートリオでスーパーストッククラス優勝を果たした。National Motosは、BMRT 3D Maxxess Nevers(アンソニー・ロワゾー選手、ジョナサン・ハルド選手、ジュリアン・ピロ選手)とNo Limits Motor Team(ルカ・スカッサ選手、アレクシ・マスブー選手、ケビン・カリア選手)の猛追をしのぎきった。Team 33 Louit April Motoは、残り2時間の時点までトップ3に残っていたが、ラジエーターの損傷によるオーバーヒートのため、スーパーストックの表彰台を逃し、総合21位、スーパーストッククラス12位となった。
VRD Igol Experiences(フロリアン・アルト選手、フロリアン・マリノ選手、ニコ・テロール選手)のマシンは、スタート直後、オイルホースのジョイント部分の不具合でペースダウンした後、転倒やシフターのトラブルに見舞われたが、最終的にはヤマハ陣トップの総合8位でフィニッシュし、重要なポイントを獲得した。
転倒を喫したにもかかわらず、ERC Endurance-Ducatiは、決してあきらめなかった。マチュー・ギネス選手、ルイ・ロッシ選手、エティエンヌ・マッソン選手の3人がパニガーレを駆り、F.C.C. TSR Honda Franceの前の9位を獲得。ジョシュ・フック選手、高橋裕紀選手、マイク・ディ・メリオ選手のライダートリオを率いるF.C.C. TSR Honda Franceは、途中まで総合2位につけていたが、電気系統のトラブルに加え、終盤の転倒により10位に後退し、レースを終えた。
エキサイティングなシーズンの幕開け
2021年のFIM EWC開幕戦となった第44回ルマン24時間レースは、公約通り、アクション満載のエキサイティングなレースとなった。ドラマは、スタート直後のダンロップターンで始まり、Wójcik Racing Team、Team 18 Sapeurs-Pompiers CMS Motostore、RAC41 ChromeBurnerの3チームを巻き込んだクラッシュが発生した。
炎上したWojcikマシンの下敷きになったシルヴァン・バリエ選手をヤマハ18のライダーであるヒューゴ・クレア選手が助けた行動が、アンソニー・デルハール・EWCスピリット・トロフィーを獲得した。Wójcik Racing Teamは、バリント・コバックス選手とアルトゥール・ヴィレブスキー選手の2人のライダーでレースを継続し、30位でゴールした。
このクラッシュの後、Yoshimura SERT MotulとTati Team Beringer Racingのトップ争いを経て、Yoshimura SERT MotulとYART–Yamaha Official EWC Teamとの間で、夜明け前まで壮絶なバトルが繰り広げられた。この対決は、ヤマハマシンのバルブ破損で幕を閉じた。
トップ5には、Tati Team Beringer Racing、Moto Ain、3ART Best of Bikeの3チームがランクインしていたが、いずれもリタイアとなった。Tati Team Beringer Racingは、幾度かのクラッシュが原因でリタイアしたが、レース序盤でトップ争いを繰り広げたことが評価されている。Tati Team Beringer Racingのアラン・テッカー選手は、1分36秒743のレース最速ラップを記録し、レース最速ライダーの称号を得た。
リタイヤを余儀なくされた12チームの中には、クラッチトラブルを抱えたLRP Polandや、スーパーストッククラスチャレンジャーチームのTeam 18 Sapeurs-Pompiers CMS Motostore、RAC41 ChromeBurner、Aviobike、Slider Enduranceなどが含まれていた。
FIM EWCの次戦は、7月17日(土)にポルトガルで開催されるシーズン2戦目のエストリル12時間レースだ。